2月 6, 2026
26 min read time

【令和8年度(2026年度)版】省エネ補助金4つと活用時のポイントを解説

エネルギー価格の高騰や脱炭素社会への移行が加速するなか、省エネルギーへの取り組みは企業経営において避けて通れない課題となっています。

しかし、高効率設備の導入や建物の断熱改修には多額の初期投資が必要であり、導入に踏み切れない事業者も少なくありません。

そこで活用したいのが、国や自治体が提供する省エネ補助金制度です。

本記事では、令和8年度(2026年度)に利用できる主要な省エネ補助金4つと、申請時に押さえておくべきポイントを詳しく解説します。

 

 

省エネ補助金とは?

省エネ補助金とは、省エネルギーに貢献する設備やシステムの導入、建物の改修・新築などに対して、国や自治体が費用の一部を支援する制度です。

企業や個人が省エネ化を進める際の初期費用の負担を軽減し、社会全体でのエネルギー消費量削減を促進することを目的としています。

<省エネ補助金で支援される取組例>

  • 高効率空調やLED照明の導入
  • エネルギーマネジメントシステムの導入
  • 太陽光発電システムの導入
  • 断熱改修

 
現在も多くの省エネ補助金制度が存在していますが、その始まりは1973年と1979年に発生した2度のオイルショックにさかのぼります。当時の日本は、エネルギー源の77%を石油に依存し、その8割を中東から輸入していました。

しかし、産油国で戦争などの政情不安定が発生したことで原油価格が高騰し、敵対国やその支援国への輸出も制限される状況に陥りました。この影響により、日本国内では「石油が入ってこなくなるのではないか」という不安が一気に広まり、物資の買い占めなどの社会的混乱が起こったのです。

こうした危機を経験したことから、日本はエネルギーの安定供給に向けた体制づくりを進め、1979年に省エネ法を制定しました。省エネ法は事業者に対し、省エネへの取り組みやエネルギー使用状況の報告を求めるもので、これを後押しする形で補助金制度も活発化していきました。

さらに近年では、地球温暖化が世界的な課題となり、エネルギー安定供給だけでなくカーボンニュートラルの実現を目的とした省エネ補助金も増加しています。

 

国が実施する省エネ補助金の一覧

国が実施する省エネ関連の補助金は多数存在しますが、ここでは特に注目すべき4つの制度に絞って紹介します。

【事業者向け】


  • 省エネ・非化石転換補助金
  • 業務用建築物の脱炭素改修加速化事業(脱炭素ビルリノベ事業)
  • Scope3排出量削減のための企業間連携による省CO2設備投資促進事業

【住宅関連】

  • 住宅省エネ2026キャンペーン


事業者向けの制度から住宅向けの制度まで、幅広い補助金が用意されており、設備更新や建物改修を検討している方にとって大きな助けとなるでしょう。

なお、令和8年度(2026年度)の詳細が未発表のものについては、現時点で公表されている情報に加え、前年度の実施内容も参考として解説していきます。

 

【事業者向け】省エネ・非化石転換補助金

本制度は、次の2つの制度で構成されています。


  • 省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金
  • 省エネルギー投資促進支援事業費補助金

「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金」は、工場・事業場全体における省エネ設備の更新や化石燃料からの転換に伴う設備更新に適した補助金制度です。

一方、「省エネルギー投資促進支援事業費補助金」は、あらゆる業種で汎用的に使われる設備更新に活用可能です。

具体的には、下表の(1)(2)(4)が省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金として、(3)(4)が省エネルギー投資促進支援事業費補助金として実施されます。
令和7年度に引き続き、令和8年度も継続して実施される見込みです。

省エネ・非化石転換補助金の事業区分

事業内容・補助額

(1)工場・事業場型

生産ラインの更新など、工場・事業場全体で省エネ化を推進するための設備等への更新を支援する事業


[補助率]中小企業2分の1/大企業3分の1 等

[上限額]15億円 等

(2)電化・脱炭素燃転型

化石燃料から電気への転換、より低炭素な燃料への転換など、燃料転換を伴う設備等への更新を支援する事業

 

スクリーンショット 2026-02-02 180243

引用:SII 省エネ補助金2025年版


[補助率]2分の1 等

[上限額]3億円 等

(3)設備単位型

対象となる15の設備の更新(条件によって新設も対象)を支援する事業


スクリーンショット 2026-02-02 180333

 

引用:SII 省エネルギー投資促進支援事業費補助金 2025年版


[補助率]3分の1 等

[上限額]1億円 等


※GX要件に適合するメーカーが製造した設備は上限額等が引き上げられる。加えて、従来支援対象としていた省エネ基準を大幅に超える性能を持つ設備には、より高い補助率が適用されるとともに、これまで適用外であった新設も対象となる。

(4)エネルギー需要

最適化型

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入を支援する事業


[補助率]中小企業2分の1/大企業3分の1 等

[上限額]1億円 等

 

<対象 ※令和7年度の情報>

[中小企業等]

  • 青色申告を行う個人事業主
  • 中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条で定義される法人
  • 中小企業団体法人等
  • その他(社会福祉法人や医療法人等)

[大企業]

会社法(平成17年法律第86号)に定める会社(株式会社・合名会社・合資会社・合同会社・有限会社)のうち、「中小企業者」および「みなし大企業」のいずれにも該当せず、本事業で定められた要件を満たす法人

 中小企業の省エネ促進を図るために、補助額は大企業より高く設定され、申請に必要な要件も緩和されています。

<主な要件 ※令和7年度の情報>

  • 事業区分ごとに異なる省エネ効果の要件や投資回収要件を満たすこと

(例:『(3)設備単位型』であれば、「省エネ効果の高い高効率な設備(©指定設備)の導入」「省エネ率10%以上」「省エネ量1kl以上」「経費当たり省エネ量1kl/千万円以上」)

<申請期間>

未発表

令和7年度は一次・二次・三次公募に分けて公募が行われ、一次は2025年3月31日から始まりました。

 

【事業者向け】業務用建築物の脱炭素改修加速化事業(脱炭素ビルリノベ事業)

本制度は、業務用の既存建物を対象に、外皮の高断熱化および高効率設備の導入に対して補助が行われる制度です。

オフィスビルや商業施設、病院、学校など幅広い建物が対象となっており、建物全体のエネルギー消費を大幅に削減することを目指しています。

令和8年度実施分の詳細はまだ発表されていません。ここでは、令和7年度の概要も参考にしつつ解説していきます。

<対象の建物 ※令和7年度の情報>

建築物省エネ法に基づく用途において以下に該当する建物(一例▽)


  • 事務所等:事務所/官公署
  • ホテル等:ホテル/旅館
  • 病院等 :病院/老人ホーム/福祉ホーム
  • 百貨店等:百貨店/マーケット
  • 学校等 :小学校/中学校/高等学校/専修学校
  • 飲食店等:飲食店/食堂/喫茶店
  • 集会所等:図書館/体育館/映画館

工場等(工場/畜舎/倉庫等)や住宅などは補助対象外でした。

<主な要件>

  • 「断熱材」か「断熱窓」いずれかの導入によって外皮性能BPIが1.0以下になること
  • 高効率設備のいずれか(高効率空調/制御機能付きLED照明器具/高効率給湯器)を導入することで、一次エネルギー消費量を省エネルギー基準より40%程度以上、用途によっては30%程度以上削減すること
  • BEMSでエネルギー管理を行うこと

令和7年度実施分では、既存建物の外皮性能BPIがすでに基準(1.0以下)をクリアしている場合や、補助対象外の設備の導入によってBPIを低減する場合は、断熱材および断熱窓の導入は必須ではなくなり、高効率設備のみで補助の対象となっていました。

<補助額>

2分の1以内

令和7年度実施分では、外皮改修は性能区分等に応じて「1㎡あたりの定額」を、高効率設備の導入に対しては「補助対象経費(設備費+工事費)の3分の1の額」を、最大10億円を上限に補助していました。

令和8年度は「2分の1等」という情報のみ発表されています。

<申請期間>

未発表

申請期間は発表されていませんが、令和7年度は2025年3月31日~12月25日に設定されていることから、令和8年度も3月下旬を目途に公募が開始されると想定されます。

 

 

本事業への申請にあたっては、「ZEBプランナー等の専門家の関与」が推奨されています。パナソニックには、専門知識を持つZEBプランナーが在籍しており、補助金申請に向けた技術的なご相談から、最適な省エネ改修をトータルでサポートいたします。「自社ビルが要件を満たすか確認したい」「専門的な検討を任せたい」といった場合も、安心してお気軽にご相談ください。

【事業者向け】Scope3排出量削減のための企業間連携による省CO2設備投資促進事業

本制度は、バリューチェーンを構成する代表企業と、その取引先である複数の中小企業等が連携し、Scope3の排出削減に取り組む場合に支援を行う補助事業です。

日本を含めた世界中で「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けた動きが加速するなか、企業には自社単体の削減だけでなく、サプライチェーン全体での取り組みが求められています。

こうした背景を踏まえ、本制度では代表企業が中心となり、取引先企業と協力しながら、Scope3に該当するCO₂排出量の削減に寄与する設備等の導入を推進する取り組みを後押しします。

省エネ 補助金_02

引用:Scope3排出量削減のための企業間連携による省CO2設備投資促進事業|環境省

<対象の事業者 ※令和7年度の情報>


適切な管理体制および経理処理能力を有する事業者 など


[対象となる主な法人・団体]

  • 民間企業
  • 独立行政法人、地方独立行政法人
  • 国立大学法人、公立大学法人、学校法人
  • 社会福祉法人、医療法人
  • 特別法の規定に基づき設立された協同組合等
  • 一般社団法人・一般財団法人および公益社団法人・公益財団法人
  • 地方公共団体
  • その他環境大臣の承認を得た者

令和8年度の詳細は未発表のため、以下では令和7年度の情報を参考に解説します。

<主な要件>

  • 代表企業と取引先企業が本事業に合意し締結していること
  • Scope3の削減目標をふまえた取引先企業の削減量について両者で合意すること
  • 既存設備と比較して30%以上のCO₂削減効果が見込める設備を導入すること
  • 代表企業が「GX率先実行宣言」を行っていること

令和7年度では、代表企業が2者以上の取引先企業と合意のもと補助事業を実施した場合に交付が行われました。

また、2者以上の取引先企業が交付を受けた場合には、代表企業の子会社等が補助事業を実施することも認められています。

削減効果の要件(30%以上)は事業者単位で判断され、同一企業内の複数事業所は削減量を合算することができましたが、1つの事業所ごとに15%以上の削減が求められました。

<補助額>

■補助率

[中小企業]2分の1

[大企業]3分の1(条件を満たす場合は2分の1)


■上限

1事業者につき15億円

<申請期間>

未発表

令和7年度の申請期限は、2025年7月11日(金)~12月19日(金)17時でした。

 

【住宅関連】住宅省エネ2026キャンペーン

本制度は、「住宅省エネ2025キャンペーン」に続き、経済産業省・国土交通省・環境省の3省が連携して実施する住宅分野向けの補助事業です。

「省エネ性能の高い住宅の新築」および「既存住宅の省エネリフォーム」を支援するもので、建物・設備の性能、施工内容に応じて補助額がそれぞれ設定されています。

各事業の併用やワンストップでの申請対応が予定されており、補助制度を最大限に活用しやすく、手続きもスムーズに進められる見込みです。

<対象の住宅>

新築・リフォームともに、住宅要件を満たすすべての世帯

新築は、注文住宅を建てる場合も、新築分譲住宅を購入する場合も、どちらでも利用可能です。
また新築・リフォームともに、戸建てや持ち家だけでなく、共同(集合)住宅や賃貸住宅も対象となっています。

<主な要件>

  • 令和7年11月28日以降に着手した工事であること
  • 必須工事を行うこと

 前年度と同様に、工事が完了し引き渡しが済んだあとに交付申請を行う流れとなっています。多くの補助金制度が「工事の契約や着工を行う前の申請」を原則としているなか、本制度は完了後に申請できる点が特徴です。

<補助額>

[新築]55~125万円

[リフォーム]40~100万円

 新築では、子育て世帯(18歳未満の子を有する世帯)や若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが39歳以下の世帯)の場合、特定地域へ建築する場合、省エネ性能の高い家を建てる場合、古家の除去を行う場合には補助額が高くなります。

リフォームは、施工内容ごとに補助額が定められており、例えば高断熱窓へのリフォームは100万円/戸を上限に補助を受けられます。

<申請期間>

申請開始(未発表)~遅くとも2026年12月31日まで

 

省エネ補助金を活用するメリット

省エネ補助金を活用する主なメリットは以下のとおりです。


  • 負担を抑えて省エネに取り組める
  • エネルギーコストを削減できる
  • 投資回収のスピードを早められる
  • 企業価値や競争力を高められる

 

各メリットについて詳しく解説します。

 

負担を抑えて省エネに取り組める

省エネ補助金を活用すれば、初期投資の負担を大きく軽減できます。

省エネ性能に優れた設備や建物は、エネルギー消費削減に効果的である一方、導入費用が高額になりやすいという課題があります。そのため、省エネの必要性を感じていても、初期費用を理由に導入を先送りしてしまうケースは少なくありません。とくに、既存の設備や建物がまだ問題なく利用できている場合には、「高額な投資をしてまで更新すべきか」と判断に迷う場面も多いでしょう。

補助金を活用すれば、設備更新や改修費用の一部を国や自治体が負担してくれるため、金銭的ハードルが下がり、省エネ施策に踏み切りやすくなります

 

エネルギーコストを削減できる

省エネ設備の導入は、光熱費などのエネルギーコスト削減に直結します。

高効率な空調設備や断熱性能の高い建物へ更新することで、電気やガスの使用量を抑えられ、導入後は継続的なコスト削減効果が期待できます。補助金を活用すれば、初期費用を抑えながら、長期的なランニングコスト削減が可能です。

パナソニックの業務用空調を例に見てみると、旧製品(2009年モデル:PA-P80UM1SX)を継続して使用する場合と、現行品(PA-P80U7SGB)へ入れ替えた場合では、年間あたりの電気代削減額に27,100円の違いが生じます。これは削減率にすると57%にもなります(※1)。

 


省エネ 補助金_05

さらに、空調の運用にシステムを活用することで、より高い省エネ効果が見込めます。
例えばパナソニックのエネルギーマネジメントシステム『Panasonic HVAC CLOUD』なら、AIが設定温度を自動調整するため、人による過度な温度変更を抑え、空調の消費電力を約20%削減できます(※2)。

省エネ 補助金_04

また、省エネに取り組む際は初期費用がネックになりがちですが、ライフサイクルコストで考えると導入後にかかる費用のほうが圧倒的に大きいことを忘れてはなりません。

空調機器の場合、導入費用は全体の20%に過ぎず、エネルギー消費による運用コストが75%、点検整備費が5%を占めています。

補助金を活用すれば、初期費用負担を抑えながら、長期的なエネルギーコスト削減という大きなメリットを得られます

 

\ 快適性と省エネ性を両立! /

blog_hvac_cta_btn01



(※1)
・1台あたりの試算です。
・電気代は(社)日本冷凍空調工業会の統一条件のもとに運転した場合の計算値であり、地域やご使用状況により変わることがあります。(統一条件:規格 JRA4002:2013R/地区 東京/建物用途 事務所/使用期間 【冷房】4月19日〜11月11日【暖房】12月3日〜3月15日/使用時間 8:00〜20:00 6日/週 /電気料金単価 東京電力 低圧電力契約))
・電気代に基本料金は含まれていません。
・旧製品の電気料金は、機器の経年劣化を考慮して算出しています。

(※2)
1年間、関東地方の2つの異なる物販店舗(約1,000㎡)の施設で検証。「設定温度自動リターン」機能(一定時間で指定した温度設定に戻る機能)との比較。

 

 

投資回収のスピードを早められる

補助金の活用により、投資回収期間を短縮できる点も大きなメリットです。

省エネ化を検討する際には、「初期投資額がどれくらい必要か」「投資回収までどの程度の年数がかかるか」といった点を踏まえて判断されるケースが多いでしょう。大きな省エネ効果を期待する場合には初期投資額も高額になりやすく、そのぶん投資回収年数も長期化します。その結果、予算上の制約や投資対効果の観点から、条件によっては決裁が下りないことも珍しくありません。

補助金によって投資回収のスピードを早められれば、組織としても省エネ化を前向きに進めやすくなります

 

企業価値や競争力を高められる

省エネ補助金を活用して省エネ施策を進めることは、企業価値や競争力の向上にもつながります。

近年は非財務的な環境・社会・ガバナンスという3つの要素で投資を判断する「ESG投資」が拡大しており、環境への配慮が企業評価の大きな指標となっているため、環境対策を積極的に進める企業は投資家から高く評価され、資金調達が有利になります。

省エネへの取り組みがメディアに取り上げられれば、企業の認知度向上、それに伴う売上の増加が期待できるでしょう。さらに、サプライチェーン全体(Scope 1 2 3)での温室効果ガス削減が評価されるようになった昨今、省エネを踏まえた商品やサービスを提供できる企業は取引先から選ばれやすくなります。

初期投資のハードルこそあるものの、企業の長期的な成長戦略にも大きく寄与することから、省エネ補助金を活用して取り組みを進めるメリットは大きいといえます。

省エネ補助金を活用する際の注意点

省エネ補助金は大きなメリットをもたらす一方で、申請や利用にあたっては次のような注意点があります。


  • 余裕をもって申請を進める
  • 申請と施工の順序を必ず確認する
  • 一時的な立て替えが発生する
  • 交付決定後でも不支給・返還の可能性がある
  • 国費が充当されている補助金は併用できないことが一般的

これらを事前に把握し、確実に補助金を活用しましょう。

 

余裕をもって申請を進める

補助金制度には申請期限や施工期間が決められており、期限を過ぎると申請は受け付けられません。また、期限内であっても、予算額に達した時点で募集が終了する場合があります。情報収集から申請準備、施工計画まで、余裕をもって進めることが重要です。

 

申請と契約・施工の順序を必ず確認する

多くの補助金制度は「申請後に実施する工事」を対象としており、申請前に着工した場合は補助の対象外となることが一般的です。その場合は施工後に申請しても補助を受けられません。制度ごとのルールを事前に確認し、申請と契約、施工のスケジュールを正しく把握しておきましょう。

 

一時的に自己資金での支払いが発生する

省エネ補助金の多くは、補助金が後払いとなるため、一時的に全額を自己資金で立て替える必要があります

補助金制度では費用の一部が支援されるものの、原則として一度、設備導入や工事にかかる費用は全額支払わなければなりません。例えば令和7年度に実施されたとある省エネ補助金では、すべての経費の支払いが完了した時点で補助事業の完了と認められ、その後に補助金が交付される仕組みでした。

そのため、補助金が振り込まれるまでの間、手元資金が一時的に減少します。資金に余裕がない場合、この立て替え払いが大きな負担となる可能性があります。

省エネ補助金を活用する際は、補助金の入金時期を踏まえた資金繰りを事前に確認し、無理のない計画を立てることが重要です。

 

交付決定後でも不支給・返還の可能性がある

交付が決定しても、補助金が必ず交付されるというわけではありません

例えば、事前に提出した計画どおりの施工が行われなかった場合には補助金が支払われません。また補助事業完了後にはエネルギー使用量に関する実績報告が求められるケースが一般的ですが、データを取得していない、報告を怠った、計画値の成果を達成できなかったなどの場合、すでに受け取った補助金の返還を求められるケースもあります。

制度の要件を十分に理解することが大切です。

 

国費が充当されている補助金は併用できないことが一般的

国費を財源に行われる補助金制度は、同一の事業で複数の補助を受けることができません

一方、地方自治体が独自の財源で実施している補助金であれば、併用できるケースが多いです。そのため、国が行う制度で最も多い補助を受けられるのはどれか、事業所が所在する自治体で補助金制度が行われているか、併用は可能かを事前に確認することで、制度を最大限に活かせます。

まとめ

省エネ補助金は、高効率設備の導入や建物の断熱改修など、省エネルギーに取り組む際の経済的負担を軽減してくれる心強い制度です。

令和8年度(2026年度)も、事業者向けの「省エネ・非化石転換補助金」「脱炭素ビルリノベ事業」「Scope3排出量削減のための企業間連携事業」や、住宅向けの「住宅省エネ2026キャンペーン」など、多様な支援メニューが用意されています。

補助金を活用することで、初期費用の負担軽減だけでなく、長期的なエネルギーコストの削減、投資回収の早期化、さらには企業価値や競争力の向上といった多くのメリットを享受できます。

一方で、申請期限や施工順序、一時的な資金負担など、注意すべきポイントも存在します。
事前に制度の詳細を十分に確認し、計画的に準備を進めることが成功の鍵となるでしょう。

省エネ効果をさらに高めるためには、設備更新だけでなく、エネルギーマネジメントシステム(EMS)の導入も効果的です。パナソニックの『Panasonic HVAC CLOUD』は、AIによる設定温度の自動調整機能を備え、空調の消費電力を約20%削減することが可能です。

※ 2022年6月~9月に関東地方の物販店舗(約1000㎡ )の2施設で検証。実際の省エネ効果は、使用環境等の条件により異なります。 

 

補助金を活用した設備更新とあわせて導入することで、より大きな省エネ効果とコスト削減を実現できます。パナソニックでは、各種補助金の活用に関するご相談も承っています。どういった機器であれば補助金を申請できるかのアドバイスも可能ですので、ぜひ一度ご相談ください。