12月 23, 2025
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カーボンオフセットとは?意味や取り組む方法をわかりやすく解説

「カーボン・オフセット」は、地球温暖化への対策が急務とされるなか、企業や個人による環境負荷を軽減する手段です。排出削減の努力とあわせて取り組むことで、持続可能な社会の実現を後押しできます。

本記事では、カーボン・オフセットの意味や必要性、実践的な取り組み方などについて、わかりやすく解説します。

 

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カーボン・オフセットとは

カーボン・オフセットとは、できる限り温室効果ガスの削減に努め、そのうえでどうしても排出せざるを得ない分を、排出量に見合った削減活動に投資することで埋め合わせる取り組みです。

具体的には、森林保全や植林事業、再生可能エネルギーの導入支援といったプロジェクトに資金を拠出し、その活動のなかで創出された排出削減量を自社の排出量と相殺します。

ここでは、カーボン・オフセットに取り組む人と、対象になる温室効果ガスについて、それぞれ見ていきましょう。


取り組む人

カーボン・オフセットに取り組む人に特別な制限はありません。市民、企業、NPO・NGO、自治体、政府など、誰でも参加できます。

 

対象となる温室効果ガス

カーボン・オフセットの対象となる温室効果ガスは以下の通りです。


  • 二酸化炭素(CO₂)
  • メタン(CH4)
  • 一酸化二窒素(N2O)
  • ハイドロフルオロカーボン(HFCs)
  • パーフルオロカーボン(PFCs)
  • 六フッ化硫黄(SF6)
  • 三フッ化窒素(NF3)

温室効果ガスの大部分を占めるのはCO₂であるため、CO₂の排出量の削減から始めると良いでしょう

例えば、企業のカーボンオフセットの取組事例には以下のようなものがあり、自社の排出するCO₂をはじめとした温室効果ガスへの向き合い方として普及が進んでいます。


  • 建設会社:
    建物の引き渡しまでに現場事務所で使用するエネルギー(電気・ガス・水)から発生するCO₂の一部をオフセット


  • 介護予防支援サービス:
    収集車両・営業車両・工場内・場内重機・電力使用によって発生したCO2排出量の一部をオフセット


  • 大手コンビニエンスストア:
    自社の環境配慮型プライベートブランドの商品原料、製造、廃棄までのCO₂排出量をオフセット


  • サッカークラブ運営会社:
    ホームゲーム開催(年間20試合程度)により排出されるCO₂排出量をオフセット

 

カーボン・オフセットの必要性

続いて、カーボン・オフセットが社会で必要とされている背景と、その取り組みの意義について、詳しく解説します。

持続可能な社会を維持するため

カーボン・オフセットが注目される背景には、地球温暖化という国際的な課題があります

空気中の熱を保持する温室効果ガスは、地球上の生物にとって欠かせない存在です。しかし、産業革命以降の化石燃料の大量消費によって濃度が急増し、地球の平均気温を押し上げる要因になっています。

その結果、農業・畜産・水産業への影響や健康被害など、私たちの生活や生態系に多方面で深刻な問題をもたらしています。

国際的にも排出削減の取り組みが進んでいますが、企業活動や日常生活における温室効果ガスの排出を「完全にゼロ」にすることは困難です。

そこで、自らの削減努力だけでなく、ほかの削減・吸収活動を支援することで地球全体の排出削減に貢献する「カーボン・オフセット」が重要視されています。

 

目的はカーボンニュートラルと同じ

カーボンニュートラルとは、「温室効果ガスの排出量を差し引きゼロにする」という考え方です。削減努力だけでは排出を完全に抑えきれないため、植林や森林保全などの吸収活動を組み合わせて補います。

カーボン・オフセットも同様に、自らの削減に加えて、他者による削減・吸収活動を支援することで、排出量の均衡を目指す仕組みです。

ただし、カーボンニュートラルがパリ協定のもとで120以上の国・地域が掲げる世界的目標であるのに対し、カーボン・オフセットはあくまで個々の主体が行う具体的な手段です。

つまり、カーボン・オフセットは「カーボンニュートラルを達成するための方法のひとつ」と位置づけられます

 

 

カーボン・オフセットの進め方

カーボン・オフセットに取り組む際は、「知って、減らして、オフセット」の3つのステップで進めていくことが重要です。

以下では、各ステップの詳しい内容について説明していきます。
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【知って】現状の排出量を知る

オフセット(埋め合わせ)を行う量を明確にするためには、自分や自社がどのくらいの温室効果ガスを排出しているかを正確に把握することが必要です。

その第一歩として、温室効果ガスが排出されている活動や段階を洗い出しましょう

カーボンオフセットとは_05引用:https://www.env.go.jp/content/000209289.pdf

排出量の算定は、実際の電力使用量や燃料消費量などのデータを基に計算する方法に加え、公的機関が提供する排出係数(データベース)を活用して算出することも可能です。

 

【減らして】できる範囲で排出量を減らす

カーボン・オフセットは、どうしても削減できなかった分を埋め合わせるための手段です。前提として、できる範囲で排出量を減らす努力が欠かせません


    <取り組み事例>
  • 不要な電気の消灯やOA機器の電源オフなど、日常の小さな工夫
  • 従業員に対する公共交通機関の利用促進
  • 省エネ性能に優れた設備への更新
  • 制御システムの導入
  • 再生可能エネルギーの導入、利用

 

とくに、事務所やビル、商業施設などでは、業務用エアコンが占めるエネルギー消費量がもっとも大きくなっています。

カーボンオフセットとは_03

このため、空調管理システムの導入などによる空調を中心とした省エネ対策を行うことで、高いCO₂削減効果が得られるといえるでしょう。

さまざまな空調管理サービスが世の中にありますが、パナソニックが提供する「Panasonic HVAC CLOUD」は、AIが空調の設定温度を自動制御する省エネマネジメントサービスです。

空調の設定温度をAIが自動で最適化することで、従来の人任せの運用と比較して空調の電力消費量を約20%削減(※)できます。また、空調の消費電力量を可視化できるため、データに基づいた省エネ対策も可能です。

さらに、複数拠点や多棟、多台数の空調設備も、任意のPCから一括で管理でき、効率的かつ効果的な温室効果ガスの削減が期待できます。

カーボンオフセットとは_06※1年間、関東地方の2つの異なる物販店舗(約1,000㎡)の施設で検証。「設定温度自動リターン」機能(一定時間で指定した温度設定に戻る機能)との比較。

 

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【オフセット】削減しきれなかった排出量を埋め合わせる

努力しても削減できなかった温室効果ガスは、ほかの場所で実現する温室効果ガスの排出量や吸収量(クレジット)を購入してオフセット(埋め合わせ)します。

なお、カーボン・オフセットを利用する際のクレジットについては信頼性が重要視されています。その基準を満たすのが、国が運営・認証する「J-クレジット制度」です。

購入するJ-クレジットの内容は選択できるので、同じ地域で行われている森林保全活動や再エネ事業を選べば、地域の環境保全にも貢献できます。

では、具体的にどのようなケースでJ-クレジットを利用するのでしょうか。カーボン・オフセットの代表的な例を4つ紹介します。


具体例①製品やサービスのライフサイクルを通じて排出されるCO₂をオフセット

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製品やサービスを提供する事業者の場合、原材料の調達から製造、輸送、使用、そして廃棄に至るまでの全工程で発生する温室効果ガスを把握し、削減できない分をオフセットする方法があります。

まずは梱包資材の軽量化や輸送効率の改善など、自社の努力によって排出量を減らす工夫をしましょう。そのうえで、どうしても削減できない部分については、J-クレジットを購入し、ほかの削減活動を支援することで埋め合わせるのです。

 

具体例②イベントの開催に伴って排出されるCO₂をオフセット

No.122_カーボンオフセットとは3_re20251218コンサートやカーレース、スポーツ大会などの主催者が、イベントに伴って排出される温室効果ガスをオフセットする方法です。

カーレースであれば、天然素材やリサイクル素材を使用するなどして車体の構造や素材を見直す努力ができます。

そのうえで、どうしても避けられない燃料燃焼によるCO₂排出分については、J-クレジットを購入して相殺することが可能です。

 

具体例③組織活動に伴って排出されるCO₂をオフセット

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企業や自治体などが、燃料の燃焼や電力使用、従業員の通勤などの事業活動で排出する温室効果ガスをオフセットする方法です。

自らの排出量を減らす取り組みとして、日常的にできる節電(照明をこまめに消す等)や、省エネ設備の導入といった長期的な施策、さらに従業員に公共交通機関の利用を促すといった工夫を行います。

それでも削減できない分については、J-クレジットを購入して相殺するのです。

 

具体例④消費者を巻き込んでCO₂をオフセット

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製造業や販売施設の場合、商品やサービスの購入量に応じてJ-クレジットを購入する方法があります。

例えば、「この商品をご購入いただくと、1商品につき1円が森林保全に役立てられます」とシールを貼れば、環境保全への貢献が消費者に伝わり、環境意識の高い方からの購入にもつながります。

もちろん、この方法を利用する場合も、自らの削減努力が必要です。

製造業では、形が不揃いでも品質に問題のない商品を販売することで、廃棄に伴う温室効果ガスの排出を減らせます。道の駅などの施設では、運営に伴う電力使用量の削減に取り組むと良いでしょう。

そのうえで削減できなかった分を、商品やサービスの購入量に応じたJ-クレジットを購入してオフセットするのです。

 

カーボン・オフセットのメリット

カーボン・オフセットに取り組むことで得られるメリットは、クレジット購入側と創出側で異なります。それぞれのメリットについて詳しく説明します。

 

クレジットを購入する側のメリット

クレジットを購入する側のメリットは以下の通りです。


  • 企業価値の向上が期待できる
    環境活動に積極的に取り組む姿勢や、地元産のクレジットの活用による地域貢献が、社会的責任を果たす企業として評価されます。


  • 製品やサービスのブランディングができる
    環境意識の高い消費者層をターゲットにすることで、競合との差別化や新たな市場開拓の機会を生むことが可能です。


  • 法人税の損金として算入できる
    クレジット購入費用は法人税の損金として算入でき、損金が大きいほど課税所得が減少するため、法人税の節税効果が期待できます。


  • 新しいつながりが生まれる
    クレジットの購入を通じて、そのクレジットを創出する人や企業とのつながりが生まれることがあります。環境活動に関する情報交換やノウハウの共有、新たなビジネスチャンスのきっかけになる可能性があるのです。

 

クレジットを創出する側のメリット

ここまでクレジットを購入する側に焦点を当てていましたが、クレジットを創出する側になることもできます。

例えば、自社で太陽光発電システムを所有している場合、その発電によるCO₂削減量をクレジットとして創出できるのです。

創出したクレジットを売却した利益で、蓄電池の導入や省エネ設備の導入、それらを地域社会へ寄贈するなど、さらなる環境貢献や地域貢献につなげることもできます

カーボン・オフセットを利用する際の注意点

カーボン・オフセットに取り組む際には、いくつかの重要な注意点があります。

第一に、カーボン・オフセットはあくまで排出削減努力の補完手段です。その努力を行わない理由としてカーボン・オフセットを利用してはなりません。

また、オフセットに用いるクレジットは信頼性が重要視されており、一定の基準を満たしている必要があります。そのため、J-クレジットのような信頼性が確保された認証制度を利用することが推奨されています。

運営主体

カーボン・クレジット制度等

日本政府

  • J-クレジット制度
  • 二国間クレジット制度(JCM)

国連

  • パリ協定6条4項メカニズム

その他

  • 民間団体、海外の政府、地方自治体などが運営する制度

 

カーボン・オフセットの利用方法

カーボン・オフセットのクレジットを購入し、利用する方法には2つあります。

1.利用するクレジット制度内で口座を開設し、自らクレジットを購入する方法
例えばJ-クレジット制度を利用する場合、登録簿システム内に自社口座を作成し、クレジット所有者の口座から自社口座へクレジットを移転して保有します。
ただし、カーボン・オフセットとして認められるには、クレジットを保有するだけでなく、無効化(使う)しなければなりません。
無効化してはじめて、カーボン・オフセットを実施したことをPRできるようになるのです。

2.プロバイダーなどの仲介業者やクレジット保有者と契約し、代理で購入してもらう方法
自らが口座を持たず、クレジットの購入から無効化までを委託することもできます。
手間は省けますが、委託者に対する手数料がかかります。
この場合、無効化されたことを示す証明書を入手しましょう。

 

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カーボン・オフセットを実施したあとは、一連の取り組みを情報提供することが推奨されています。

 

まとめ


カーボン・オフセットは、地球温暖化対策のひとつとして、企業から個人まで幅広く活用されています。

排出削減努力の後に行うこの取り組みは、自社の環境負荷を軽減するだけでなく、企業価値の向上やブランドイメージの強化にもつながります。とはいえ重要なのは、カーボン・オフセットが排出削減努力の補完であることを認識し、まずは自らの削減活動に注力することです。

Panasonic HVAC CLOUDなどの省エネシステムを導入して空調消費電力量を削減し、その後、どうしても削減できない分をJ-クレジットでオフセットするという、段階的なアプローチが理想的です。

持続可能な社会の実現に向け、カーボン・オフセットの効果的な活用に取り組んでいきましょう。

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